個人情報Q&Aバンク

お店や街で見かける防犯カメラ、映っている人は個人情報?プライバシーはどう守られる?

Tags: 防犯カメラ, 個人情報, プライバシー, 監視, 映像

はじめに

街を歩いていると、お店の入り口や道路、駅など、様々な場所に防犯カメラが設置されているのを見かけます。これらのカメラに自分の姿が映っているかもしれない、そう考えると、それが個人情報として扱われるのか、あるいはプライバシーはどのように守られるのか、気になる方もいらっしゃるかもしれません。

この記事では、防犯カメラに映る映像と個人情報、そして私たちのプライバシーがどのように関連しているのかについて、分かりやすくご説明します。

防犯カメラに映る「人の姿」は個人情報となりうるのか

まず、「個人情報」とはどのようなものを指すのか確認してみましょう。個人情報保護法という法律では、個人情報とは、生存する個人に関する情報であって、特定の個人を識別できるもの(氏名、生年月日、住所など)や、他の情報と容易に照合できて特定の個人を識別できるものと定義されています。

防犯カメラの映像に映った人物の姿は、それだけでは誰かを特定できない場合もあります。しかし、顔がはっきり映っていたり、他の情報(例えば、その人がその時間帯にその場所にいたという事実や、服装、一緒にいた人など)と組み合わせることで、特定の個人を識別できるようになる場合があります。

このように、防犯カメラの映像に映った個人の姿は、状況によっては個人情報となりうると考えられています。特に、氏名などの情報と紐付けられて管理されている場合は、明確に個人情報として扱われます。

防犯カメラは何のために設置されているのか?

防犯カメラが設置される主な目的は、犯罪の抑止や、万が一事件や事故が発生した際に証拠となる映像を記録することです。お店であれば万引き防止、街頭であればひったくりやその他の犯罪対策、駅であれば利用者の安全確保などが考えられます。

記録された映像は、これらの目的のために、警察による捜査協力などに利用されることがあります。

防犯カメラの設置者にはどんなルールがあるのか?

防犯カメラを設置する側にも、個人情報やプライバシーに配慮する責任が求められます。個人情報保護法では、個人情報を取り扱う事業者は、利用目的をできる限り具体的に特定し、その目的の達成に必要な範囲を超えて個人情報を取り扱ってはならないと定めています。

防犯カメラの設置者は、一般的に以下のような点に配慮することが望ましいとされています。

これらの配慮は、法律上の義務だけでなく、社会的なマナーとしても重要視されています。

自分の姿が映っている映像について、何かできることはあるのか?

もし、特定の防犯カメラの映像に自分の姿が映っている可能性があり、その取り扱いについて疑問や不安がある場合は、そのカメラの設置者(お店の管理者、ビルの所有者など)に問い合わせてみることができます。

個人情報保護法では、事業者が保有する自身の個人情報について、開示や訂正、利用停止などを求める権利が認められています。ただし、防犯カメラの映像については、他の多くの人が映っている場合や、捜査に支障をきたす場合など、開示が難しいケースもあります。また、開示請求には手数料がかかる場合や、設置者によって対応が異なる場合もあります。

まずは、カメラが設置されている場所の管理者などに相談してみるのが良いでしょう。

過度に心配しすぎないことも大切です

防犯カメラは、私たちの安全を守るためにも役立っています。多くの設置者は、プライバシーに配慮して適切に運用しています。街中で防犯カメラを見かけるたびに、過度に心配する必要はありません。

しかし、もし不審な点があったり、特定の場所での防犯カメラの利用方法に疑問を感じたりした場合は、その設置者に対して、設置目的や映像の管理方法について問い合わせてみるという選択肢があることを知っておくと良いでしょう。

まとめ

お店や街にある防犯カメラに映る私たちの姿は、状況によっては個人情報となりえます。防犯カメラは安全確保のために設置されていますが、設置者には個人のプライバシーに配慮した適切な運用が求められています。

もし気になることがある場合は、カメラの設置者に問い合わせてみることも可能です。防犯カメラの存在を理解し、必要以上に心配せず、適切に行われているかを見守ることが大切です。