個人情報Q&Aバンク

地域のイベントや活動で名簿を作る時、個人情報は安全ですか?注意点を解説

Tags: 個人情報, 名簿, 地域活動, プライバシー, 町内会

地域のイベントや活動で作成する名簿の個人情報について

地域の町内会活動や趣味のサークル、学校のPTA活動などで、連絡網や会員名簿を作成することがよくあります。こうした名簿には、参加者の氏名、住所、電話番号、メールアドレスなどの個人情報が含まれています。こうした情報を扱う際に、「安全に管理されているのだろうか」「勝手に使われたりしないだろうか」と不安に思われることがあるかもしれません。ここでは、地域の活動における名簿作成と個人情報の取り扱いについて、知っておきたい点と安全のための注意点をご説明します。

名簿に含まれる情報は「個人情報」にあたります

まず、名簿に記載される氏名、住所、電話番号といった情報は、特定の個人を識別できる情報として、個人情報保護法における「個人情報」にあたります。個人情報保護法は、事業者だけでなく、一定の要件を満たす団体(町内会やPTAなども含む場合があります)に対しても適用される場合があります。

ただし、法律の細かい要件にかかわらず、個人の大切な情報を取り扱う際には、基本的なルールや配慮が求められます。地域の活動で名簿を作成・利用する際は、その情報が参加者からお預かりした大切な情報であるという認識を持つことが重要です。

なぜ名簿を作成するのでしょうか

地域の活動で名簿を作成する主な目的は、参加者間の連絡や情報共有を円滑に行うためです。

このように、名簿は活動を円滑に進めるために必要なものとして作成されています。

名簿作成・利用時に注意したい点

地域の活動で名簿を作成し、利用する際には、いくつかの注意点があります。

1. 利用目的を明確にする

名簿を作成する際に、どのような目的でその情報を使用するのかを明確にすることが大切です。「活動の連絡のため」「緊急時の連絡のため」など、具体的に示すようにします。そして、集めた個人情報は、その目的以外には原則として使用しないというルールを定めます。例えば、名簿に載っている情報を使って、無関係の営利目的の連絡をするようなことは避けるべきです。

2. 参加者の同意を得る

名簿に個人情報を載せること、そして特定の目的のために利用することについて、参加者本人の同意を得ることが望ましいです。同意を得る際には、どのような情報を集めるのか、何のために使うのか、誰と共有する可能性があるのか(例: 会員同士での連絡網として配布するなど)を具体的に説明します。参加者が安心して情報を提供できるように配慮することが大切です。

3. 安全な方法で保管する

作成した名簿は、漏洩や紛失がないように安全な方法で保管する必要があります。紙媒体であれば鍵のかかる場所に、データであればパスワードを設定したファイルや、限られた関係者しかアクセスできない共有フォルダなどに保管することが考えられます。

4. 必要な範囲でのみ共有・配布する

連絡網として名簿を参加者同士で共有する場合など、必要最低限の範囲でのみ情報を共有するようにします。全体に配る必要がある場合でも、可能な範囲で項目を限定したり、配布先を活動の関係者に限定したりするなどの配慮が求められます。インターネット上で安易に公開することは大変危険ですので避けてください。

5. 不要になった名簿は適切に廃棄する

活動の終了や参加者の変更などにより、名簿が不要になった場合は、情報を安全に消去または廃棄することが重要です。紙媒体であればシュレッダーにかけるか焼却するなど、復元できない形にします。データであれば完全に削除します。

参加者としてできること

ご自身の情報が名簿に掲載される場合、どのような目的で利用されるのか、どのように管理されるのかを確認することは大切なことです。もし不明な点や不安な点があれば、名簿を作成・管理している担当者に質問してみるのも良いでしょう。また、個人情報を提供することに同意できない場合や、一部の情報の掲載を希望しない場合は、その旨を伝えて相談することも可能です。

まとめ

地域の活動で作成される名簿は、活動の円滑な運営に役立つものですが、含まれる情報は大切な個人情報です。作成・利用する側は、利用目的の明確化、同意取得、安全な保管と廃棄に配慮することが求められます。参加される側も、ご自身の情報がどのように扱われるかに関心を持つことで、より安心して活動に参加できるでしょう。個人情報の適切な取り扱いは、お互いの信頼関係を築く上でも重要なことと言えます。