宅配便の伝票、個人情報はどうすれば安全?捨て方の注意点
宅配便が届いた際に受け取る伝票には、送り主の情報はもちろん、受け取る方の氏名や住所、電話番号といった大切な個人情報が記載されています。これらの情報が記載された伝票をそのままゴミ箱に捨ててしまうと、意図しない形で個人情報が第三者の手に渡ってしまうリスクが考えられます。
個人情報が書かれたものが適切に処理されないまま外部に持ち出されることで、不審なダイレクトメールが増えたり、悪意のある第三者に悪用されたりする可能性もゼロではありません。このような不安を解消し、ご自身の個人情報を守るためには、伝票の処理方法に少し工夫を凝らすことが大切です。
このページでは、宅配便の伝票に書かれた個人情報を安全に処理するための具体的な方法と、捨てる際の注意点について分かりやすくご説明します。
宅配便の伝票にはどんな個人情報が載っているのか
一般的な宅配便の伝票には、少なくとも以下の情報が記載されています。
- お届け先の情報:
- 氏名
- 住所
- 電話番号
- ご依頼主(送り主)の情報:
- 氏名
- 住所
- 電話番号
これらの情報は、単独でも個人を特定できる可能性のある重要な個人情報です。複数の伝票が集まれば、ご自身の行動範囲や、誰からどのような物が届いているかといった情報まで推測されてしまうことも考えられます。
なぜ伝票の個人情報を保護する必要があるのか
伝票に記載された個人情報が不用意に外部に漏れると、以下のようなリスクにつながる可能性があります。
- ダイレクトメールや勧誘電話の増加: 氏名や住所、電話番号といったリストとして悪用されることで、迷惑な郵便物や電話が増える原因となることがあります。
- なりすましや詐欺のリスク: 他の情報と組み合わせることで、より詳細な個人情報が悪意のある第三者の手に渡り、フィッシング詐欺やなりすましなどの犯罪に利用される可能性も考えられます。
- プライバシーの侵害: 誰からどんな荷物が届いたかといった情報が知られることで、プライバシーが侵害される感覚を覚えることもあります。
こうしたリスクを避けるために、伝票の個人情報を確実に、読めないようにしてから捨てることが推奨されます。
伝票の個人情報を安全に処理する方法
宅配便の伝票に書かれた個人情報を安全に処理するための具体的な方法をいくつかご紹介します。ご自身の状況や用意できるものに合わせて、やりやすい方法を選んでみてください。
方法1:手で破る
個人情報が書かれた部分を細かく手で破る方法です。
- メリット: 特別な道具が必要ありません。すぐにできます。
- 注意点: 大きく破っただけでは復元されるリスクがあります。特に氏名、住所、電話番号といった重要な情報が判別できないように、非常に細かく破る必要があります。インクの種類によっては、破片を重ねても透けて見えることがあります。
方法2:油性マジックなどで塗りつぶす
氏名や住所などの個人情報が書かれた部分を、インクが濃い油性マジックペンなどで完全に塗りつぶす方法です。
- メリット: マジックペンは比較的どこにでもあります。手軽に行えます。
- 注意点: 薄いインクのマジックや、裏にインクが染み込まないペンだと、光の当たり具合や裏から見ると文字が透けて見えてしまうことがあります。完全に塗りつぶし、文字が一切判別できないようにすることが重要です。太いペンを使うと効率的です。
方法3:個人情報保護スタンプを使用する
個人情報の上に専用のスタンプを押すことで、パターン状のインクが文字を隠し、読めなくする方法です。
- メリット: 手を汚さずに広範囲の個人情報を隠せます。繰り返し使えて便利です。
- 注意点: スタンプのインクが薄くなると文字が透けて見えることがあります。インクの補充が必要です。細かい文字の上にもしっかりと押せているか確認が必要です。
方法4:シュレッダーで裁断する
書類を細かく切断するシュレッダーを使用する方法です。
- メリット: 個人情報が書かれた部分を物理的に細断するため、最も復元されにくい安全な方法の一つです。
- 注意点: シュレッダーを用意する必要があります。手動のものから電動のものまで様々な種類がありますが、個人情報保護の観点からは、紙を細長い短冊状ではなく、より細かな「クロスカット」や「マイクロカット」にできるタイプのシュレッダーが推奨されます。感熱紙の伝票(レシートのようなもの)は、熱でシュレッダーの刃に影響を与える場合があるため、取扱説明書を確認してください。
方法5:熱で文字が消えるペンを使用する(推奨されない場合も)
フリクションペンのように、摩擦熱などで文字が消えるインクを使用して文字を塗りつぶす方法です。
- メリット: 手軽に文字を隠せます。
- 注意点: この方法は、個人情報保護の目的ではあまり推奨されません。時間が経つとインクが戻って文字が読めるようになったり、温度変化で文字が現れたり消えたりすることがあります。確実に読めなくするという点では不十分です。
伝票を捨てる際のその他の注意点
伝票の個人情報を処理した後、捨てる際にもいくつか注意点があります。
- 自治体のゴミ出しルールに従う: 個人情報を処理した伝票も、基本的には燃えるゴミなど、お住まいの自治体の分別ルールに従って捨ててください。個人情報だからといって特別なゴミとして扱う必要は通常ありませんが、大量にある場合は地域のルールを確認すると良いでしょう。
- 可能な場合は個人情報が含まれるゴミを分ける: 絶対ではありませんが、可能であればシュレッダー済みの紙くずなど、個人情報が含まれる可能性のあるゴミを他のゴミと混ぜずにまとめて捨てると、より安心感があります。ただし、これはあくまで気持ちの問題であり、ルールとして義務付けられているわけではありません。
まとめ
宅配便の伝票に記載された個人情報は、ご自身の氏名、住所、電話番号といった大切な情報です。これらの情報が不用意に外部に漏れることを防ぐためにも、伝票を捨てる前に個人情報が書かれた部分を確実に読めないように処理することが重要です。
ご紹介した「油性マジックで塗りつぶす」「個人情報保護スタンプを使う」「シュレッダーで細断する」といった方法の中から、ご自身にとって最も確実で続けやすい方法を選んで実践してみてください。
ほんの少しの手間をかけるだけで、大切な個人情報を守り、安心して日常生活を送ることにつながります。