健康管理アプリやサービスで個人情報を入力しても安全?知っておきたい注意点
健康管理アプリやサービスに個人情報を入力する際の安全性について
近年、スマートフォンやインターネットを活用して、ご自身の健康状態を管理できる便利なアプリやサービスが増えています。例えば、体重や血圧の記録、食事内容の入力、運動量の計測、睡眠時間の管理など、様々な情報を記録し、日々の健康管理に役立てることができます。
しかし、こうしたサービスを利用する際に、ご自身の健康に関する大切な情報を入力することになります。健康状態に関する情報は、個人のプライバシーの中でも特にデリケートな情報です。「入力した情報がどう使われるのだろう」「誰かに見られてしまわないだろうか」といった不安をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。
ここでは、健康管理アプリやサービスにおける個人情報の取り扱いと、安心して利用するための注意点についてご説明します。
健康管理アプリやサービスで入力する「個人情報」とは
健康管理アプリやサービスでは、以下のような様々な情報を入力したり、記録したりします。
- 氏名、年齢、性別などの基本的な情報
- 体重、体脂肪率、血圧、血糖値などの計測データ
- 歩数、運動の種類や時間、消費カロリーなどの活動データ
- 食事内容や摂取カロリー
- 睡眠時間や質
- 健康診断の結果や病歴
これらの情報の中でも、特に健康状態に関するデータは、「要配慮個人情報」と呼ばれる、取り扱いに注意が必要な情報に該当します。こうした情報は、個人の思想、信条、病歴などと同じように、不当な差別や偏見につながる可能性があり、より厳重な保護が必要です。
なぜアプリやサービスは健康情報を求めるのでしょうか
健康管理アプリやサービスが皆様の健康情報を求める主な理由は、以下の通りです。
- サービスの提供と機能改善のため: 記録したデータをグラフで表示したり、傾向を分析してアドバイスを提供したりするために、皆様の健康情報が必要不可欠です。また、より使いやすいサービスにするために、利用状況などを分析することもあります。
- 研究開発や統計分析のため: サービスをより良くしたり、新しいサービスを開発したりするために、多くの人のデータを集めて分析することがあります。この場合、通常は個人が特定できないように「匿名加工情報」という形に処理され、プライバシーに配慮した上で利用されます。
サービス提供者は、皆様から同意を得た目的の範囲で情報を利用することが求められています。
考えられるリスクと確認すべき点
健康管理アプリやサービスを利用する上で、いくつか注意しておきたい点があります。
- 情報漏洩のリスク: サービス提供者のセキュリティ対策が不十分な場合、悪意のある第三者によって情報が不正に取得されてしまう可能性があります。
- 意図しない第三者への提供: サービスの利用規約やプライバシーポリシーをよく読まないまま利用すると、提携している別の企業に情報が提供されてしまう可能性もゼロではありません。例えば、保険会社や食品会社など、健康に関心のある企業に匿名化された情報が提供されるケースなどがあります。
これらのリスクを避けるために、サービスを利用する前にいくつか確認しておきたい点があります。
安心して利用するための具体的な注意点
健康管理アプリやサービスを安心して利用するために、以下の点に注意しましょう。
- 提供元と評判を確認する: どのような会社や組織がサービスを提供しているのかを確認しましょう。聞いたことのない提供元や、利用者が極端に少ないサービスは、情報管理体制が十分でない可能性も考えられます。口コミや評判なども参考にすると良いでしょう。
- プライバシーポリシーを読む: サービスを利用する前に、必ずプライバシーポリシー(個人情報の取り扱いについての方針を示すもの)を確認しましょう。専門的な言葉が多いかもしれませんが、以下の点を中心に、どのような情報が、何のために、どのように使われるのか、そして第三者に提供されることがあるのか、ご自身の情報に対する権利(訂正や削除を求める権利など)が記載されているかなどを確認するように努めてください。もし分かりにくい場合は、利用を再検討するか、提供元に問い合わせてみましょう。
- 提供する情報を選択する: サービスによっては、全ての情報の入力を必須としないものもあります。もし不安な場合は、必要最低限の情報だけを提供するようにしましょう。
- アカウントのセキュリティを強化する: アプリやサービスにログインするためのパスワードは、他のサービスで使っていない、推測されにくい複雑なものを設定し、定期的に変更しましょう。サービスが二段階認証に対応している場合は、設定しておくことを強くお勧めします。万が一パスワードが漏れても、不正ログインを防ぐことができます。
- アプリの「許可」を確認する: スマートフォンアプリの場合、インストール時や利用中に「カメラへのアクセス」「位置情報へのアクセス」などの許可を求められることがあります。健康管理に直接関係のない許可を求められた場合は、本当にその許可が必要なのかをよく考えましょう。不要な許可は与えない方が安全です。
まとめ
健康管理アプリやサービスは、日々の健康維持に役立つ便利なツールですが、ご自身の健康情報というデリケートな情報を取り扱うため、利用にあたっては慎重な姿勢が大切です。
サービス提供元が信頼できるか、プライバシーポリシーで情報の利用目的や第三者提供についてしっかり確認する、そしてご自身でできるセキュリティ対策(パスワード管理や二段階認証など)をしっかりと行うことで、リスクを減らし、安心してサービスを利用することができます。
ご自身の健康情報を大切に守りながら、賢く健康管理に役立てていきましょう。