オンラインでクレジットカードを使うのは安全ですか?知っておきたい注意点
オンラインでクレジットカードを使う際の安心のために
インターネットを利用したお買い物や各種サービスの支払いは、私たちの生活をとても便利にしてくれました。家から出ずに欲しいものを手に入れられたり、遠く離れたお店のサービスを利用できたりと、その利便性は計り知れません。
一方で、オンラインでクレジットカード情報を入力することに、漠然とした不安を感じている方もいらっしゃるかもしれません。「カード情報が漏れて悪用されないか」「個人情報がどのように扱われるのか」といったご心配は当然のことです。
この記事では、オンラインでクレジットカードを安全に利用するために知っておくべきこと、そしてご自身の個人情報やカード情報を守るための具体的な注意点について、分かりやすくご説明します。
オンラインでのクレジットカード利用は基本的に安全です
結論から申し上げますと、信頼できるウェブサイトで正しく利用すれば、オンラインでのクレジットカード利用は、店頭での利用と同じくらい安全であると考えられています。これは、多くのオンラインストアや決済システムが、お客様のカード情報を守るための様々なセキュリティ対策を講じているためです。
特に重要なのが「暗号化」という技術です。インターネット上で私たちの情報(カード番号や有効期限など)がやり取りされる際に、第三者には読めないようにデータを変換する仕組みです。
例えば、手紙の内容を、特定の鍵を持つ人しか読めないように複雑な暗号に変換してから送るようなものです。この暗号化に使われる代表的な技術が「SSL/TLS」と呼ばれるものです。
安全なウェブサイトを見分けるポイント
では、どのようなウェブサイトなら安心してクレジットカード情報を入力できるのでしょうか。いくつかのポイントがあります。
1. URLが「https://」で始まっているか
ウェブサイトのアドレス(URL)にご注目ください。安全なサイトでは、通常「http://」ではなく、「https://」で始まっています。「s」はSecure(安全)を意味しており、このサイトとあなたのコンピューターやスマートフォンとの間でやり取りされる情報が暗号化されていることを示しています。
2. アドレスバーに鍵マークが表示されているか
多くのウェブブラウザでは、アドレスバー(URLが表示されている部分)に「鍵マーク」が表示されます。この鍵マークは、SSL/TLSによる暗号化通信が行われている証です。鍵マークをクリックすると、サイトの証明書(そのサイトが本物であることを示す電子的な証明書)を確認できる場合もあります。
3. 知らない、怪しいウェブサイトではないか
見た目が不自然だったり、日本語がおかしかったりするウェブサイトには注意が必要です。信頼できる運営元かどうか、連絡先が明確かなども確認材料になります。大手通販サイトなど、普段から利用していて信頼できるサイトを選ぶようにしましょう。
4. プライバシーポリシーを確認する
可能であれば、サイトの「プライバシーポリシー」や「特定商取引法に基づく表示」などのページを確認してみましょう。お客様の個人情報やカード情報をどのように扱うか、セキュリティ対策について記載されている場合があります。
クレジットカード情報の取り扱いについて
オンラインストアがお客様から入力されたクレジットカード情報をどのように扱うかは、サイトや利用する決済システムによって異なります。
多くの場合は、入力されたカード情報は直接オンラインストアのサーバーには保存されず、決済代行会社を通じてカード会社に安全に送信される仕組みになっています。また、「トークン化」といった技術を用いることで、実際のカード番号の代わりに、使い捨ての「トークン」と呼ばれる別の情報を使って決済処理を行う場合もあり、これにより情報漏洩のリスクを低減しています。
もちろん、一部のサービスでは利便性のためにカード情報を登録しておくこともありますが、その場合も厳重なセキュリティ管理のもとで行われています。
不正利用を防ぐための具体的な対策
ウェブサイト側のセキュリティ対策に加えて、私たち自身もできる対策があります。
1. 本人認証サービス(3Dセキュアなど)を利用する
多くのカード会社が提供している「本人認証サービス」(ブランドによって「Visa Secure」「Mastercard Identity Check」「J/Secure」など名称が異なります)は、オンラインショッピングの際に、通常のカード情報に加えて、ご自身で設定したパスワードやスマートフォンへのワンタイムパスワードなどで追加認証を行う仕組みです。これにより、万が一カード情報が盗まれても、第三者が不正に利用することを難しくできます。ご利用のカード会社のウェブサイトなどで登録できますので、ぜひ設定しておきましょう。
2. 利用通知サービスを設定する
クレジットカードが利用された際に、すぐに登録したメールアドレスやスマートフォンのプッシュ通知で知らせてくれるサービスです。このサービスを利用しておけば、覚えのない利用があった場合にすぐに気づくことができ、迅速な対応につながります。
3. 定期的に利用明細を確認する
毎月送られてくるクレジットカードの利用明細は必ず確認しましょう。ウェブサイトの会員ページでいつでも確認できる場合が多いです。身に覚えのない利用がないかチェックすることで、不正利用を早期に発見できます。
4. パスワードの管理を徹底する
オンラインストアの会員登録などで設定するパスワードは、他のサービスとは異なる、推測されにくい強力なものを使いましょう。パスワードの使い回しは危険です。(パスワードの管理については、別の記事でも詳しく解説しています。)
5. 使用しているデバイスのセキュリティ対策を行う
お使いのパソコンやスマートフォンにセキュリティソフトを導入し、常に最新の状態に保つことも重要です。これにより、ウイルス感染などによる情報漏洩のリスクを減らすことができます。
6. 不審なメールやSMSに注意する
クレジットカード会社やオンラインストアを装ったフィッシング詐欺にも警戒が必要です。「情報更新が必要です」といったメールやSMSのリンクから偽サイトに誘導され、カード情報を入力させられる手口があります。公式アプリやブックマークからアクセスするなど、安易にリンクをクリックしないようにしましょう。(フィッシング詐欺については、別の記事でも詳しく解説しています。)
万が一、不正利用された場合
上記の対策を講じていても、残念ながら不正利用の被害に遭ってしまう可能性はゼロではありません。もし身に覚えのないクレジットカードの請求を見つけたら、すぐにカード会社に連絡してください。
多くのクレジットカード会社では、特別なケースを除き、不正利用による被害額を補償する制度を設けています。連絡が早ければ早いほど、被害の拡大を防ぎ、補償を受けられる可能性が高まります。慌てずに、まずはカード会社の窓口に相談しましょう。
まとめ:オンライン利用は便利、正しく理解して安全に
オンラインでのクレジットカード利用は、現代生活に欠かせない便利さをもたらしてくれます。その安全性は多くの技術と仕組みに支えられていますが、完全にリスクがないわけではありません。
重要なのは、過度に恐れるのではなく、どのような点に注意すれば安全に利用できるのかを正しく理解し、ご自身でできる対策をきちんと行うことです。
今回ご紹介した「https://」や鍵マークの確認、本人認証サービスの利用、利用明細のチェックなどを日頃から心がけることで、オンラインでのクレジットカード利用をより安心して行うことができるでしょう。