オンラインセミナーやビデオ会議に参加する時、個人情報は安全ですか?
オンラインセミナーやビデオ会議の普及と個人情報
新型コロナウイルスの流行以降、インターネットを使ったオンラインセミナーやビデオ会議が私たちの生活に広く浸透しました。自宅にいながら学習したり、遠方の友人や家族と顔を見ながら話したりと、大変便利なツールです。
しかし、その一方で、「自分の個人情報は安全なのだろうか」「自宅の様子が他の人に見えてしまうのではないか」といった、個人情報やプライバシーに関する漠然とした不安をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。
この記事では、オンラインセミナーやビデオ会議に参加する際に知っておきたい個人情報とプライバシーの基本的な考え方、そして安全に利用するための具体的な注意点についてご説明します。
参加時に提供する可能性のある情報とは
オンラインセミナーやビデオ会議に参加する際、私たちは様々な情報を提供したり、共有したりしています。どのような情報が関わる可能性があるのかを見ていきましょう。
- アカウント情報や登録情報: 参加するために名前(本名またはニックネーム)、メールアドレス、所属などを登録する場合があります。
- ビデオ映像と音声: ビデオをオンにしたり、マイクをオンにしたりすると、ご自身の姿や声、そして背景の様子などが他の参加者や主催者に共有されます。
- チャットや質問内容: 会議中のチャット機能を使ったやり取りや、質問で入力した内容も共有されます。
- 技術的な情報: どのような端末(パソコン、スマートフォンなど)を使っているか、インターネットの接続状況といった情報が、サービス提供者によって収集される場合があります。
これらの情報は、セミナーや会議の運営に必要な場合もありますが、ご自身の個人情報やプライバシーに関わる情報が含まれています。
提供した情報はどのように扱われる?
参加者が提供・共有した情報は、主に以下の主体によって扱われる可能性があります。
- 主催者: セミナーや会議を主催する団体や個人は、参加者の名前やメールアドレスを把握し、会議中の発言内容やチャット内容を確認できます。主催者によっては、会議の様子を録画・録音している場合もあります。
- 他の参加者: 会議の設定によっては、他の参加者全員があなたの名前、顔、声、チャット内容などを見たり聞いたりできます。
- サービス提供者: ZoomやMicrosoft Teamsなどのオンライン会議サービスを提供している企業は、サービスを安定して提供するため、またサービスの改善のために、様々な技術的な情報や利用状況に関するデータを収集・分析しています。
重要なのは、ご自身の情報が「誰に」「どこまで見られる可能性があるか」を理解しておくことです。
安全に利用するための具体的な対策と注意点
過度に心配する必要はありませんが、いくつかの簡単な注意点を守ることで、より安心してオンラインセミナーやビデオ会議に参加できます。
1. 事前の確認
- サービスのプライバシーポリシーを確認する: 可能であれば、利用するオンライン会議サービスのプライバシーポリシーに目を通してみましょう。これは、サービス提供者があなたの情報をどのように収集し、利用し、保護するかが書かれたものです。専門的な言葉が多いかもしれませんが、「どのような情報を集めるのか」「その情報を第三者に渡すことがあるか」といった点に注目してみてください。
- 主催者からの案内に目を通す: セミナーの参加方法の案内に、録画・録音を行うか、参加者のリストが他の参加者に見える設定になっているかなどが記載されていることがあります。不明な点があれば、事前に主催者に確認してみるのも良いでしょう。
2. 参加時の設定と操作
- 表示名に注意する: 本名のフルネームを表示することに抵抗がある場合は、ニックネームや名字のみなど、特定されにくい名前に変更できるか確認してみましょう。主催者によっては本名での参加を必須としている場合もあります。
- ビデオとマイクの設定: 参加直後はビデオとマイクがオフになっているか確認しましょう。発言する時だけオンにするなど、必要に応じて切り替えることで、意図しない映像や音声が共有されるのを防げます。
- 背景に配慮する: 自宅の様子が映り込むのが気になる場合は、壁を背景にする、片付いた場所を選ぶなどの工夫をしましょう。サービスによっては、背景を隠す「バーチャル背景」機能が利用できます。
- チャットの利用に注意する: チャット機能を使う際は、個人情報や他の人には知られたくない情報を安易に書き込まないようにしましょう。
- 画面共有は慎重に: ご自身のパソコン画面を他の参加者に見せる「画面共有」機能を使う際は、見られては困るファイルや情報が表示されていないか、事前に閉じておくなどの準備をしましょう。
3. 端末のセキュリティ
- OSやアプリを最新の状態に: 利用しているパソコンやスマートフォンの基本ソフト(OS)や、オンライン会議アプリは常に最新の状態にアップデートしておきましょう。古いバージョンのままにしていると、セキュリティ上の問題が見つかることがあります。
- セキュリティソフトを利用する: パソコンにはセキュリティソフトを導入し、常に有効にしておくことをお勧めします。
まとめ
オンラインセミナーやビデオ会議は便利なツールですが、個人情報やプライバシーに関する注意点があることも事実です。しかし、ご紹介したような基本的な対策を知り、少し意識するだけで、安心して利用することができます。
参加する前にどのような情報を提供するかを確認し、参加中はビデオやマイクの設定に気を配る。これだけで、多くのプライバシーリスクを減らすことができます。過度に心配せず、これらのツールを上手に活用して、オンラインでの活動を楽しんでください。