個人情報が載った書類、どう捨てれば安全?公共料金の請求書や診断結果など
身の回りの書類に潜む個人情報
私たちの日常生活では、様々な場面で個人情報が含まれる書類を受け取ったり、作成したりしています。公共料金の請求書、スマートフォンの利用明細、健康診断の結果、保険の契約書類、あるいは自治体からのお知らせなど、これら一つ一つに氏名、住所、電話番号といった大切な個人情報が記載されています。
これらの書類を不要になったからといって、そのままゴミ箱に入れてしまうことに漠然とした不安を感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。紙の書類であっても、そこに含まれる情報が悪意のある第三者の手に渡れば、悪用されてしまうリスクがないとは言えません。
この記事では、身の回りにあるどのような書類に個人情報が含まれているのか、そしてそれらを安全に捨てるためにはどのような方法があるのかについて、分かりやすく解説します。
どんな書類に個人情報が含まれているか
私たちが普段意識せずに受け取っている書類の中にも、たくさんの個人情報が含まれています。代表的なものとしては以下のようなものがあります。
- 公共料金の請求書、検針票: 電気、ガス、水道などの利用者の氏名、住所、契約番号、使用量などの情報が含まれます。
- 電話料金、インターネット料金の明細: 契約者の氏名、住所、電話番号、利用料金、通信履歴などが含まれることがあります。
- クレジットカードの明細: カード名義人、カード番号の一部、利用履歴、金額などが記載されています。
- 銀行の取引明細: 口座名義人、口座番号、取引履歴、残高などの情報が含まれます。
- 健康診断の結果、病院の診察券: 氏名、生年月日、検査結果、病歴など、非常に機微な個人情報が含まれます。
- 保険の契約書類: 契約者の氏名、住所、生年月日、保険の内容など、詳細な個人情報が含まれます。
- 給与明細、源泉徴収票: 氏名、住所、マイナンバーの一部、収入金額など、重要な個人情報が含まれます。
- 郵便物、宅配便の伝票: 宛名として氏名、住所、電話番号などが記載されています。
- 各種申込書の控え: サービスや手続きのために提供した氏名、住所、連絡先、生年月日などの詳細な情報が記載されています。
これらの書類を捨てる際には、含まれている個人情報が不用意に他人の目に触れないように注意する必要があります。
個人情報を含む書類の安全な捨て方
個人情報が記載された書類を安全に捨てるためには、いくつかの方法があります。ご自身の状況や書類の種類に応じて、適切な方法を選びましょう。
- シュレッダーを利用する
- 概要: 紙を細かく裁断することで、元の情報を読み取れなくする方法です。手動タイプから電動タイプまで様々な種類があります。
- 利点: 確実性が高い方法です。特に電動シュレッダーは大量の書類を効率的に処理できます。
- 注意点: 完全に情報を分断するためには、単に帯状に切るのではなく、クロス状(細かく四角く)に裁断する「クロスカット」や、それ以上に細かくする「マイクロカット」方式のシュレッダーを選ぶと、より復元が難しくなります。初期費用や置き場所が必要になります。
- 個人情報保護スタンプ・ローラーを利用する
- 概要: 個人情報の上に、特殊なパターンが印刷されたインクを塗布したり、ローラーで転がしたりして情報を隠す方法です。
- 利点: 手軽に入手・使用でき、場所を取りません。文字を塗りつぶすよりも効率的に広範囲を隠せます。
- 注意点: 隠したい情報全体をしっかりと覆う必要があります。インクの種類によっては、光の角度で情報が透けて見えてしまう場合もあるため、しっかりと隠せているか確認が必要です。
- 塗りつぶしペンを利用する
- 概要: 個人情報の上に油性マジックなどで直接塗りつぶす方法です。
- 利点: 最も手軽で、すぐに実行できます。ペンさえあれば特別な道具は不要です。
- 注意点: インクの種類によっては、裏写りしたり、強い光を当てると透けて見えたりする場合があります。広範囲の情報を隠すのは手間がかかります。個人情報が含まれる箇所をもれなく、しっかりと塗りつぶすことが重要です。
- 手で細かく破る
- 概要: 書類を手で可能な限り細かく破る方法です。
- 利点: 特別な道具が不要です。
- 注意点: 完全に情報を復元できないレベルまで細かく破るには、かなりの労力と時間が必要です。特に住所や氏名など短い文字列は、部分的に残った破片から推測されるリスクが残ります。他の方法と組み合わせるのがより安全です。
これらの方法で個人情報が見えないように処理した上で、自治体のルールに従ってゴミに出します。可燃ゴミとして処理されることが多いですが、自治体によっては資源ゴミとして出す際に特別な指示がある場合もありますので、確認すると良いでしょう。
その他の注意点
書類を捨てる際以外にも、個人情報保護のために注意しておきたい点があります。
- 不要になったらすぐに処理する習慣をつける: 個人情報が記載された書類をため込まず、不要になった時点で安全な方法で処理する習慣をつけると、紛失や盗難のリスクを減らすことができます。
- 一時保管場所の管理: 捨てる前の書類を一時的に置いておく場所は、家族以外が見ることのない安全な場所にしましょう。
- 家族と共有する情報: 家族間であっても、プライバシーに配慮が必要です。特に子供の学校のプリントや、高齢の家族の医療関係の書類など、デリケートな情報は本人の許可なく廃棄したり、内容を話したりしないように注意しましょう。
まとめ
公共料金の請求書や診断結果など、私たちの身の回りには個人情報が含まれた書類がたくさんあります。これらの書類を安全に捨てることは、個人情報保護のための基本的な対策の一つです。
シュレッダー、保護スタンプ、塗りつぶしペンなど、様々な方法がありますが、重要なのは「個人情報が他人に読み取れない状態にしてから捨てる」という意識を持つことです。ご自身にとって実行しやすい方法を選び、日頃から実践していくことをお勧めします。
少しの心がけで、大切な個人情報を守ることにつながります。この記事が、皆さんの個人情報保護対策の一助となれば幸いです。