スマホで撮った写真、写り込みや位置情報は大丈夫?個人情報を守るには
はじめに
スマートフォンで日常の出来事や思い出を写真に撮ることは、今や多くの方にとって当たり前のこととなっています。しかし、何気なく撮った写真に、ご自身の個人情報や、どこで撮ったかがわかる情報が含まれている場合があるのをご存知でしょうか。これらの情報が意図せず他者に知られてしまうことには、いくつかの注意点があります。
この記事では、スマートフォンで撮影した写真に潜む個人情報のリスクと、それからご自身を守るための具体的な方法について分かりやすく解説します。
写真に写り込む可能性のある個人情報
写真そのものに、以下のような個人情報が写り込んでしまうことがあります。
- 顔: ご自身やご家族、友人の顔
- 住居や職場の外観・内観: 建物の特徴、表札、郵便物、室内の様子などから場所が特定される可能性
- 所有物: 車のナンバープレート、特定のブランド品、個人の趣味嗜好がわかるもの
- 書類: 映り込んだ書類に氏名、住所、電話番号などが記載されている場合
これらの情報は、集合写真や風景写真の端に意図せず写り込んでしまったり、自宅や職場で撮影した写真に背景として映り込んでしまったりすることがあります。
写真データに含まれる情報(位置情報など)
写真のデータ自体にも、撮影日時や使用したカメラの種類といった情報の他に、重要な個人情報が含まれていることがあります。代表的なものが「位置情報」です。
多くのスマートフォンでは、写真を撮影した際に、その場所の緯度経度情報(どこで撮ったか)が写真データに自動的に記録される設定になっています。これは「ジオタグ」または「Exif情報」の一部として写真ファイルの中に保存されます。
この位置情報付きの写真をインターネット上に公開したり、SNSで共有したりすると、その写真を見た人が、あなたが「いつ」「どこで」その写真を撮ったのかを知ることができてしまいます。
例えば、自宅で撮った写真に位置情報が含まれていると、自宅の正確な場所を知られてしまう可能性があります。旅行先や普段よく行く場所の情報も、写真を通じて知られるリスクがあります。
位置情報が記録されることのリスク
写真に位置情報が含まれていること自体が直ちに危険というわけではありませんが、以下のようなリスクが考えられます。
- プライバシーの侵害: 個人の行動範囲や生活パターンを第三者に把握されてしまう可能性があります。
- ストーカー行為のリスク: 自宅や職場、よく行く場所を特定され、つきまといなどの被害に繋がる可能性があります。
- 空き巣などの犯罪リスク: 旅行中に撮影した写真から自宅が留守であることを知られてしまうリスクなどが考えられます。
特に、SNSで公開している情報(名前、顔、普段の投稿内容など)と写真の位置情報が結びつくことで、個人を特定されやすくなり、より深刻なリスクに繋がる可能性も否定できません。
写真に含まれる個人情報を守るための対策
ご自身の写真に含まれる個人情報や位置情報を守るために、いくつかの対策を講じることができます。
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写真に写り込む情報に注意する:
- 写真を撮る前に、背景や写り込みがないか確認する習慣をつけましょう。特に自宅や職場、プライベートな空間で撮影する際は注意が必要です。
- 集合写真をインターネットに公開する際は、写っている他の人の顔に配慮することも大切です。
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スマートフォンの位置情報サービス設定を確認・変更する:
- 多くのスマートフォンで、カメラアプリによる位置情報記録をオフに設定できます。スマートフォンの「設定」メニューを開き、「プライバシー」や「位置情報サービス」といった項目の中から、カメラアプリに関する設定を探してみてください。ここで位置情報の利用を「オフ」にするか、「アプリの使用中のみ」に設定することで、写真に位置情報が記録されるのを防ぐことができます。
- ただし、位置情報を使った便利な機能(例えば、写真の整理や地図上での表示など)が利用できなくなる場合もありますので、ご自身の使い方に合わせて設定を検討してください。
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写真を共有・公開する際に位置情報を削除する:
- 既に位置情報が含まれている写真をインターネット上にアップロードしたり、他者に送ったりする前に、位置情報を削除するツールや機能を利用する方法があります。スマートフォンの標準機能や、写真編集アプリなどで位置情報を削除できる場合があります。
- 多くのSNSやウェブサービスでは、写真をアップロードする際に自動的に位置情報などのExif情報が削除される仕様になっていますが、全てのサービスがそうであるとは限りません。不安な場合は、ご自身で削除してからアップロードするのが最も安全です。
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共有範囲を限定する:
- 写真を共有する際は、誰に見られても問題ないか、共有する相手は信頼できる人物かなどをよく考えましょう。SNSで公開する場合は、公開範囲を「友人まで」「特定の人だけ」などに限定する設定を活用することも有効です。
まとめ
スマートフォンで撮影する写真は、私たちの生活を豊かにしてくれるものですが、含まれる個人情報や位置情報の取り扱いには注意が必要です。写真そのものに写り込む情報だけでなく、写真データに記録される情報があることを理解し、意識的に対策を講じることが、ご自身のプライバシーを守る上で大切です。
今回ご紹介した設定の確認や、写真を共有する際の注意点などを参考に、安心安全にスマートフォンで写真を活用していただければと思います。